
代表取締役社長
高橋 寿守氏 |

デジタル部 部長
桑原史典氏 |
株式会社 新興社
プリプレス
従業員数:58人
創業:1949年
所在地:東京都文京区後楽2-1-8
電話:03-3814-5011(代表)
URL:http://www.sinkohsha.com/ |
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出版印刷のなかでも特に納期がシビアな週刊誌。とりわけコミック誌は高い品質とスピードが求められる。コミック製版の老舗・新興社では、アナログと同等の品質を確保しながら短納期を実現する独自のデジタルマンガシステムを開発し、その一部として『面付け職人』を採用している。デジタル化が難しいといわれるコミック製版において『面付け職人』はどのような効果を発揮しているのだろう。
− 独自にデジタルマンガシステムを開発した経緯についてお聞かせください。
桑原史典氏(以下、桑原氏)コミック製版はデジタル化が難しい業界です。コミックでは昔から写研の書体が使われているのですが、デジタル化するためには、まずこの書体の問題をクリアしなければならない。さらに、デジタル化すると品質が極端に落ちるという問題もあります。たとえば、通常のやり方でスクリーントーンをスキャニングするとモアレが出てしまう。こうした問題を解決したデジタルマンガシステムもありますが、スピードの面ではまだまだ手作業には敵いません。たとえば、原画のゴミを取り除く作業の場合、手作業なら数十秒で終わるところがコンピュータだと数分かかってしまう。
高橋寿守氏(以下、高橋氏)でも、お客様に「デジタルだから時間が掛かります」とは言えません。我々はアウトソーサーですから、ご要望にお応えするためにこちらが努力しなければならない。しかもウチがお仕事をいただいているのは売れている作家さんを抱えた雑誌ばかり。皆さんお忙しいので入稿がどうしても遅れがちになる。このため、スケジュールは非常にタイトです。その日に入った原稿は、翌日には確実に仕上げなければならない。急ぎの場合は、当日渡しもあります。そこでアナログと同等の品質とスピードが出せるシステムを独自に開発したのです。
− デジタル化のメリットはなんでしょう?
桑原氏 いちばん大きいのは出力形態の多彩化でしょう。たとえば、一度作ったデータを1-bitTIFFに出力してCTP出力したり、Web用に書き出したりと、お客様の要望に合わせていろいろな形でデータを提供できます。
高橋氏 データの二次利用にも素早く対応できますね。特にウチのスキャナは独自に開発したもので、高精細かつモアレも出ないスキャニングが可能です。このため、Web用に書き出しても非常にきれいなんですよ。
桑原氏 当社では過去の原稿にすべて連番を振ってデータベースで管理しています。このため、特定のページを流用したいというご要望があった際にすぐに対応できるのです。これもデジタルならではですね。
− 『面付け職人』を選んだ理由をお聞かせください。
桑原氏 当初は面付けソフトを自社で開発しようと思っていたのです。ただ、それだと時間も費用も嵩んでしまう。そうした時に『面付け職人』に出会いました。InDesignドキュメントをダイレクトに取り込める機能を見たとき、「これだ」と思いましたね。また、スピードを上げるためには、スキャニング、画像修正、文字配置、面付けという各工程に掛かる時間をどこまで短縮できるかが勝負となります。『面付け職人』は動作も速いし、作業も短時間で終わります。それから、誰にとっても取っ付きやすいソフトなのも大きな理由です。実際、経営者である副社長でも使える(笑)。
高橋氏 本当ですよ。僕でもいじれる(笑)。面付けソフトを選ぶ際、もう嫌になるくらい沢山の面付けソフトを見ました。僕はコンピュータ素人だから、分かりづらいソフトは見ているだけで眠くなっちゃう(笑)。ところが『面付け職人』は手作業とフィーリングがとても近い。デジタルとはいっても作業するのは結局人間ですから、アナログで長年仕事をしてきた人たちが使いやすいソフトじゃないとね。
桑原氏 システムの基本は「サクサク感」です。やっている人間がサクサクと楽しく作業できることが大切。そういう意味で『面付け職人』は非常に優れています。
高橋氏 マニュアルもよく出来ている。面付けを全然知らない人でも、マニュアルを読めばすぐに本職の人と同じレベルの仕事ができる。
桑原氏 直しにも素早く対応できますね。コミックは、アナログ時代からの慣習で、面付け後でも直しが入ります。当然、アナログで出来ていたことがデジタルになって出来ないというのは通用しない。PSに書き出すタイプの面付けソフトは、元のファイルを直して再度書き出さなければならないので時間が掛かる。ところが、『面付け職人』は直した元のドキュメントからダイレクトに出力できます。また、ウチでは将来を見越して、写研やオープンタイプをMacとWindows上で共存できるようにシステムを組んでいます。その意味でも、InDesignにネイティブ対応している『面付け職人』は非常にありがたいです。
− サポートについてはいかがですか?
高橋氏 正直言って導入した時は出版印刷に必要な機能が少なかった。バージョンは1.5でしたね。ところが、その後の対応が非常によかった。「雑誌面付けに必要な機能が欲しい」とリクエストしたところ、4〜5人のスタッフがすぐに会社に駆けつけてくれました。
桑原氏 『面付け職人』は、面付けの順番を予めソフトに用意されているパターンから選択する方式になっています。以前のバージョンでは、このパターンの中に雑誌用のものがなかったのです。そこで、雑誌特有の面付けパターンのプリセットを作ってもらいました。すぐに対応してくれましたよ。それから背標・背丁の機能もリクエストしました。コミック誌の場合、ひとつの雑誌のページを複数の製版会社に分散して発注するケースが多いので、背標や背丁は指定された通りに付けなければならない。この点もバージョンが上がって解決されましたね。
− 今後の展望についてお聞かせください。
桑原氏 ウチは「トキワ荘」の時代からやっているマンガ印刷の老舗です。だから品質にもスピードにも意地がある。現状過半数のコミック原稿は未だに手書きです。コミック編集者さんのアナログ編集スキルを活かせるデジタルを今後も目指します。それから、当社のシステムでは雑誌と同時に電子ブックのデータを作ることができます。今後はこうした電子ブックなどの新しい市場の仕事も増やしていきたいですね。
高橋氏 マンガの世界はまだまだアナログが主流です。編集者さんからすれば、いままで通りの仕事のやり方でそのままデジタルに移行したいのが本音だと思います。当社のシステムなら、「売れるマンガは写研」というジンクスをそのままに仕事のやり方も仕上がりも変えることなく、スムーズにデジタルに移行ができる。これだけの品質とスピードをデジタルで出せるのはウチだけだと自負しています。今後も製版のアウトソーサーとして、お客様に喜ばれる「いい仕事」をしていきたいと考えています。マンガのデジタル化に協力して欲しいという出版社様、印刷会社様との連携を高めていきたいです。これ宣伝です(笑)。 |
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